岐黄伝人──中医学の魂を継ぐ者の記録

中国中医学界の重鎮・王琦教授が、自らの50年にわたる中医人生を振り返った自伝的著作『岐黄伝人−我的中医之路』は、単なる回顧録にとどまらず、中医学の精神と未来を照らす灯火でもあります。

名医の道：十の視点から紐解く

本書は「名師との出会い」「古典の学び」「臨床の実践」「思惟の深化」「科学研究」「教育活動」「文化の継承」「海外での発信」「友情と交流」「家族との絆」という10の視点から構成され、王教授の中医学に対する深い愛情と哲学がにじみ出ています。

学術と人間味の融合

2006年に発表された自伝的エッセイ《万里雲天万里路》も収録されており、学術的な成果だけでなく、詩や随筆、書簡、写真なども豊富に掲載。中医学の学問的価値と人間的魅力が融合した、まさに“読む文化財”とも言える一冊です。

中医学を志すすべての人へ

『岐黄伝人』は、これから中医学を学ぶ人々にとっての羅針盤であり、すでに道を歩む者にとっての原点回帰の書でもあります。伝統と革新の狭間で揺るがぬ信念を貫いた王琦教授の姿は、医療に携わるすべての人に深い感銘を与えることでしょう。

“読万巻書，行万里路”──書を読み、道を歩む。その積み重ねが、未来の中医学を形づくる。