石綿被害者の闘い：『国家と石綿』が描く息を求める人々の物語

国家と石綿：息を求める人々の闘い

永尾俊彦による『国家と石綿ルポ・アスベスト被害者「息ほしき人々」の闘い』は、石綿（アスベスト）被害者たちの壮絶な闘いを克明に描いたルポルタージュです。本書は、2016年11月に現代書館から出版され、373ページにわたる詳細な調査と取材に基づいています。

石綿は、その耐火性や断熱性から、かつては建築資材として広く使用されていました。しかし、その微細な繊維が人体に吸入されると、深刻な健康被害を引き起こすことが明らかになりました。中でも、中皮腫や肺がんなどの重篤な疾患は、石綿曝露によるものとされています。

本書では、石綿被害者たちの生の声が綴られています。彼らは、健康を害し、家族を失い、それでもなお、正義を求めて闘い続けています。その闘いは、単に補償を求めるだけでなく、社会全体に石綿の危険性を訴えるものでもあります。

永尾は、国家や企業の責任についても鋭く追及しています。石綿の危険性が知られていたにもかかわらず、適切な対策が取られなかったことに対する批判は、読者に深い憤りを感じさせます。

『国家と石綿』は、単なるルポルタージュではありません。それは、私たち一人ひとりが社会の不正と向き合い、行動を起こすことを促す強烈なメッセージです。石綿被害者たちの闘いを通じて、私たちは何を学び、どのように行動すべきかを考えさせられます。

この本は、社会問題に関心を持つすべての人々にとって、必読の一冊です。ぜひ手に取って、そのメッセージを受け取ってください。

本名 ISBN:9784768457894 著者永尾俊彦出版社現代書館発行年月 2016年11月サイズ 373P20cm カテゴリ社会``` 社会問題[社会問題その他] コツカトセキメンルポアスベストヒガイシヤイキホシキヒトビトノタタカイ登録日 2016/11/28