2016年9月13日

不正行為・注意点

不正行為

適正な技能実習のために


この外国人技能実習制度は国で定められたルールに則り、実施されなければなりません。ただし一概にルールと言ってもその数は非常に多いため、直ぐに全てを理解するのは難しいと思われます。そこで技能実習生を扱うにあたり、下記の二つの事を基本と考えて頂ければ、何かを判断する時に役に立つかと思います。

1.技能実習生の会社での処遇、待遇については、他の日本人社員と同じ就業規則、法令等が適用されると判断して下さい。
例:労働基準法適用(協定外の時間外労働、残業代支払い、有給付与、給与現金支給、セクハラ、パワハラ)最低賃金法適用、安全衛生法適用、社会保険加入など

2.技能実習生の人権侵害や不利益にならないように、気を付けて管理をして下さい。
例:パスポート・在留カードの取り上げ、強制貯金実施、実費以上の家賃・光熱費の控除、住みやすい生活環境の提供、いじめ、差別など

「不正行為」の具体的な内容


【1】暴行・脅迫・監禁5年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、技能実習生に対して暴行、脅迫又は監禁を行うことを禁ずる。
【2】旅券・外国人登録証明書の取上げ5年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、技能実習生の旅券又は外国人登録証明書を取り上げることを禁ずる。
例えば、実習実施者において逃走防止のためなどと称して旅券や外国人登録証明書を保管する等の行為。
【3】賃金等の不払い5年間停止
監理団体又は実習実施者において、技能実習生に対する手当又は報酬の一部又は全部を支払わないことを禁ずる。
例えば、実習実施者において、時間外労働や休日出勤を命じながら、労働基準法第37条に規定する割増賃金を支払わなかった等。
【4】人権を著しく侵害する行為5年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行うことを禁ずる。
例えば、技能実習生から人権侵害の被害を受けた旨の申告があり、人権擁護機関において人権侵犯の事実が認められた場合や実習実施者が技能実習生の意に反して預金通帳を取り上げる等。
【5】偽変造文書等の行使・提供5年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、外国人に上陸許可の証印等を受けさせる目的、又は不正行為に関する事実を隠ぺいする目的で、偽造・変造された文書・図面、虚偽の文書・図面を行使又は提供することを禁ずる。
例えば、外国人技能実習機構への申請に際し、実習実施者の常勤職員数を実際より多く偽った内容の書面を作成し、団体要件省令に規定する「国又は地方公共団体の援助」があることを証する文書を偽造してこれらを地方入国管理局に提出する行為。
また、監理団体において地方入国管理局に提出する監査報告書に虚偽の記載をした場合、すなわち、実習実施者で「不正行為」が行われているのを認識していたにもかかわらず、適正に技能実習が実施されているかのような監査報告書を提出した場合や監査を実施していないのにもかかわらず、実施したかのような監査報告書を提出した場合についてもこれに該当する。

【6】保証金の徴収等3年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関が本邦において技能実習生が従事する技能実習に関連して、技能実習生やその家族から、保証金を徴収するなどしてその財産を管理する行為や労働契約の不履行に係る違約金を定めるなど不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結する行為を禁ずる。
例えば、技能実習生の逃走を防止するために、技能実習生やその家族等から保証金を徴収したり、逃走した際の違約金を定めていた等。また、外国人技能実習機構、労働基準監督署等に対して「不正行為」を通報すること、休日に許可を得ずに外出すること、作業時間中にトイレ等で離席すること等を禁じて、その違約金を定める行為や技能実習生やその家族等から商品又はサービスの対価として不当に高額な料金の徴収を予定する契約についても、「不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約」に該当する。
【7】雇用契約に基づかない講習の期間中の業務への従事3年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、技能実習生を雇用契約に基づかない講習の期間中に業務に従事させる行為を禁ずる。
【8】二重契約3年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、技能実習に係る手当若しくは報酬又は実施時間について技能実習生との間で外国人技能実習機構への申請内容と異なる内容の取決めをすることを禁ずる。
例えば、技能実習生の雇用契約について、外国人技能実習機構への申請の際提出した雇用契約書(写し)に記載された報酬より低い報酬を支払う旨の別の合意を申請後に行う等。
【9】技能実習計画との齟齬3年間停止
監理団体や実習実施者において、外国人技能実習機構への申請の際提出した技能実習計画と著しく異なる内容の技能実習を実施し、又は当該計画に基づく技能実習を行わせない行為を禁ずる。
例えば、技能実習生に対し技能実習計画どおりの講習を行わなかった場合や、申請の際に技能実習を行うとした作業とは別の作業に従事させた場合、技能実習計画上の複数の作業項目のうち、大半の項目を実施しなかった場合等。
また、「技能実習2号ロ」については、技能実習成果の評価において受験し合格した技能実習移行対象職種と異なる職種に従事させていたような場合。
なお、実際に行われた技能等修得活動の時間数が当初の技能実習計画の時間数を大幅に上回っている場合にも、技能実習計画との齟齬と判断されることもある。
【10】名義貸し3年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、外国人技能実習機構への申請内容と異なる他の機関に技能実習を実施させていた場合や当該他の機関において技能実習を実施することを禁ずる。
【11】実習継続不可能時の報告不履行3年間停止
監理団体や実習実施者において、技能実習の継続が不可能となる事由が生じていながら、外国人技能実習機構への報告を怠ることを禁ずる。
例えば、技能実習生が失踪したのにもかかわらず、これを届けることなく、失踪した技能実習生が摘発されるなどして初めて、失踪していたことが地方入国管理局で明らかになる等。
【12】監査、相談体制構築等の不履行3年間停止
監理団体において、団体要件省令に規定する監査、相談体制構築等の措置を講じていなかった等の行為を禁ずる。
【13】行方不明者の多発3年間停止
監理団体や実習実施者において、上陸基準省令に規定する人数の行方不明を発生させることを禁ずる。

なお、監理団体や実習実施者の責めに帰すべき理由がない場合は、この類型に該当しない。責めに帰すべき理由がない場合とは、技能実習が技能実習計画に沿って実施され、賃金の支払い等が雇用契約どおりに行われていることなど監理団体や実習実施者がその責務を果たしている場合。
【14】不法就労者の雇用等3年間停止
監理団体、実習実施者又はあっせん機関において、①事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせる行為、②外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置く行為又は③業として、①及び②の行為に関しあっせんする行為のいずれかを行い、唆し、又はこれを助けることを禁ずる。
【15】労働関係法令違反3年間停止
監理団体や実習実施者において、【1】、【3】及び【4】に該当しなくても、技能実習の実施に関して、労働基準法、労働安全衛生法、職業安定法等の労働関係法令について重大な違反や技能実習の適正な実施を妨げる等の行為を禁ずる。
【16】営利目的のあっせん行為3年間停止
営利を目的とするあっせん機関において、技能実習に関してあっせんを行っていた場合や監理団体若しくは営利を目的としないあっせん機関において、技能実習に関して収益を得てあっせんを行うことを禁ずる。

例えば、株式会社が技能実習に関する職業紹介を行っていた場合や公益法人が実費を超える手数料を徴収して職業紹介を行う等。
【17】再度の不正行為に準ずる行為3年間停止
地方入国管理局から「不正行為に準ずる行為」を行ったものとして指導を受けた監理団体、実習実施者等において当該指導を受けた後3年以内に再度「不正行為に準ずる行為」を行うことを禁ずる。

例えば、監理団体が傘下の実習実施者の賃金支払いに係る「不正行為」認定の監理責任を問われ「不正行為に準ずる行為」に認定された後、別の傘下の実習実施者が技能実習計画との齟齬に係る「不正行為」に認定され、再度、監理責任を問われ「不正行為に準ずる行為」に該当する場合。

【18】日誌等の作成等不履行1年間停止
監理団体や実習実施者において技能実習(本邦外における講習を含む。)の実施状況に係る文書や技能実習の指導に係る文書の作成、備付け又は保存を怠ることを禁ずる。地方入国管理局の実態調査等の際に当該文書を確認できない場合は、適正に備付け又は保存がなされていることにはならず、この類型に該当する。

なお、技能実習の実施状況に係る文書とは、講習日誌、技能実習日誌、賃金台帳その他の実習内容、指導者、従事時間及び賃金について記載した文書をいい、技能実習の指導に係る文書とは、団体要件省令第1条第8号に定める、監理団体による1月につき1回以上の訪問指導の際に作成する文書のことをいう。文書の作成、備付け及び保存は電磁的方法によるものでも差し支えない。
【19】帰国時の報告不履行1年間停止
監理団体において、技能実習生の技能実習活動終了後の帰国に係る地方入国管理局への報告を怠る行為を禁ずる。

なお、監理団体が、技能実習活動後に技能実習生が帰国していないことを知りながら、技能実習生が帰国した旨の虚偽の報告を行った場合は【5】に該当する。

実習生制度のご注意点

外国人研修・技能実習制度は、単純労働力の受入れ対策ではないことに十分留意してください。本制度は、諸外国の青壮年に対し日本の産業・職業の技術、技能等の移転を図り、それぞれの母国での産業活動に貢献・寄与できるようにするための国際的な人材育成の制度です。
このため、受入れ企業は、技能実習を実施するには、次のような条件を充足する必要があります。

技能実習生の作業・業務は、同一作業の単純反復の繰り返しではないものとされており、また、技能実習2号に従事する技能実習生の職種・作業は、技能検定等の職種・作業に限定されていること。
この場合、修得すべき技能水準を技能検定等でみると、最低でも実習1年終了後には基礎2級、技能実習2年目終了後には基礎1級、技能実習3年目終了後には3級を目標とすること。

修得技能についての目標


1.受入れ企業は、技能移転を確実にするために、修得方法等に関する技能実習計画と修得技能の目標を作成し、それを着実に履行すること。

2.受入れ企業が技能実習生の修得した技能の水準や内容をチェックするため公正な技能評価制度を設け、運用していること。特に技能実習生1号から技能実習生2号に移行するためには、技能検定基礎2級の試験等に合格しなければならない。

注意点


実習生の入れ替えはできません

選考後入国し、受け入れた実習生の入れ替えは原則的にできません。
同一実習生の再受け入れはできません

実習を終えた同一の実習生を再度受け入れることはできません。
実習生の入国日は指定できません

入国管理局の審査で、実習生の入国日の指定はできません。
宿舎・生活必需品等の用意が必要です

実習生活を始めるために、受け入れ企業は宿舎や生活必需品等の用意が必要となります。



外国人技能実習生共同受入事業について

当制度の内容を説明いたします。

制度活用のポイントとメリット

制度を最大限活用するためにはいくつかポイントがあります。

受け入れまでの流れ

実習生を受け入れる過程を順を追って説明いたします。

Q&A

よくあるご質問について回答しております。